旧ジャニーズ事務所の対応を批判している郷原氏って何者?

創業者のジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、旧ジャニーズ事務所はタレントのマネージメントなどを行うために新会社として「STARTO ENTERTAINMENT」を設立しました。

ホームページを開設し、事務所で初めてとなるコンサートも開催しています。

被害者への補償手続きや誹謗中傷ホットライン、心のケア相談窓口として運営するSMILE-UP.は、STARTO ENTERTAINMENTとは資本関係を全く有しない企業で、現在も補償に向けた手続きを行っています。

それぞれが自社の業務に専念していますが、事件が発覚した後の記者会見をめぐり、旧ジャニーズ事務所は大きな批判を受けています。

世間からも大きく注目を集め、その対応に疑問を持った方々も多いです。

加えて、メディアに出演するタレントや法律問題に詳しい専門家・弁護士からも批判を受けた事実があります。

今回は、旧ジャニーズ事務所の会見をめぐって「不祥事対応の失敗」について発言している郷原氏のブログ記事を参考に、記者会見の内容や郷原氏による意見についてまとめていきましょう。

 

旧ジャニーズ事務所の記者会見

旧ジャニーズ事務所の記者会見内容をご紹介する前に、記者会見が実施される背景となった事件について解説していきます。

記者会見が実施された経緯

2023年9月、旧ジャニーズ事務所による1回目の記者会見が実施されました。

記者会見が開かれた理由は、旧ジャニーズ事務所の創業者でもあるジャニー喜多川氏による性加害事件です。

事務所を背負うタレントを育成すべく、多くの数の未成年者を事務所に加入させ、その未成年者に対して悪質な性加害を繰り返してきた事件となり、大きな話題を呼びました。

しかし、加害者本人となるジャニー喜多川氏は生前に批判や非難されることなく、既に他界しています。

性加害の事実については暴露本が出版されただけではなく、民事裁判でも認定された過去があります。

それにも関わらず問題視されることはなく、事業は継続され、死亡時にもプロデューサーとして称賛されていました。

しかし、英国BBCによる報道を機に事態は大きく変わり、日本国内でも大きな問題として取り上げられたのです。

記者会見の内容

記者会見には、藤島ジュリー氏と東山紀之氏、井ノ原快彦氏に加えて、顧問弁護士となる木目田弁護士が出席しました。

会見の冒頭で事務所として初めてジャニー喜多川氏の性加害を認めた上で謝罪を行い、ジュリー氏の辞任を発表しています。

そして新社長も発表され、旧事務所でタレントとして活躍している東山紀之氏が就任することも発表しています。

また、被害者への対応や再発防止策については、ジュリー氏が事務所として補償を実施する考えを示しています。

東山氏や井ノ原氏による性加害の認識についても会見時に伝えられており、東山氏は「噂として知っていたが、喜多川氏を信じていた」と語り、井ノ原氏は「触れてはいけない空気みたいなものがあった」と述べています。

また、1回目の記者会見時には事務所の社名については変更しないと語っていました。

 

郷原氏の意見とは?

旧ジャニーズ事務所の不祥事問題で郷原氏が語った内容をご紹介していきましょう。

郷原氏が考える弁護士の役割

旧ジャニーズ事務所の不祥事問題における弁護士の関与については、郷原氏は「相当大きなリスクがある」と語っています。

危機対応では、不祥事対応における助言や指導を実施することが弁護士の役割となり、側面からサポートする裏方や黒子として表に出ることなく業務に徹するとも述べています。

郷原氏のブログを見ると、旧ジャニーズ事務所による問題では、最初に元検事総長の林真琴弁護士が登場したことが分かります。

2023年5月に再発防止特別チームの設置が公表され、座長として林弁護士が記者会見の場に登壇しています。

その後は、調査報告書の報告会見に出席し、報告書の内容を説明するだけではなく、当時社長を務めていたジュリー氏に辞任を求めたのです。

林弁護士は、この報告会見をもって旧ジャニーズ事務所との関りを終了しています。

その後、登場したのが西村あさひ法律事務所の危機管理チームを率いている木目田裕弁護士です。

危機管理業務を担っている顧問弁護士は、通常表に出ずに企業への助言や指導をすることが一般的ですが、木目田弁護士は積極的に表に出て対応していると郷原氏は語っています。

実際に、木目田弁護士は2023年に実施された1回目の記者会見に加えて、2回目の記者会見にも出席しています。

郷原氏が考える弁護士名・事務所名を公表して関与した理由

旧ジャニーズ事務所の性加害事件は巨大不祥事です。

不祥事対応に関与すれば弁護士や事務所に与える影響が大きいと郷原氏は語っています。

しかし、木目田弁護士は表立って活動をしています。

2回目の記者会見の後に「不祥事対応のエキスパート弁護士が語る危機管理の要諦」と題する記事がある雑誌に掲載されたと言います。

そこには記者会見に出席したジュリー氏や東山氏に加えて、木目田弁護士の写真が掲載されていました。

その説明文として、「記者会見に同席した木目田裕氏のインタビューは40頁から」と記されていたとも郷原氏は語っています。

そのため、郷原氏は木目田弁護士が会見に同席した理由は「不祥事対応のエキスパート弁護士」として世間にアピールするためだと記しています。

 

木目田弁護士とはどんな人物?

郷原氏に「危機管理のエキスパート」としてアピールする意図があると思われた木目田弁護士とは、いったいどんな人物なのでしょうか。

経歴をご紹介していきましょう。

経歴

1991年に東京大学法学部を卒業した木目田弁護士は、様々な経歴を持つ人物です。

1993年~2002年には検事として活動し、1997年~1998年には東京地方検察庁特別捜査本部に所属しています。

2002年に弁護士登録を行った後、西村あさひ法律事務所で働き始めました。

株式会社大庄の社外取締役や楽天証券株式会社の社外取締役なども歴任し、幅広い活動を実施していることが分かります。

そんな木目田弁護士は、危機管理実務の創始者でもあります。

第三者委員会や調査委員会の委員を務め、日本経済新聞社による「活躍した弁護士ランキング」では、2012年に企業法務部門第4位を受賞したことを皮切りに、2013年には同部門で第2位、2014年には危機管理部門第2位、2020年には同部門で第1位、2023年には危機管理・不正対応分野で第1位を獲得しています。

気になる点

木目田弁護士は、2024年3月に所属する西村あさひ法律事務所を通して「誹謗中傷等に対する対策について」というニューズレターをホームページに掲載しています。

誹謗中傷や個人攻撃に対する対策については難しいと記し、弁護士として様々なアドバイスを企業や個人に対して行ってきたと伝えています。

しかし、木目田弁護士自身も特定の人物から執拗な誹謗中傷や個人攻撃を受けていると語ったのです。

誹謗中傷者に対しては、注意や抗議をすると、かえって攻撃がエスカレートすると木目田弁護士は伝えており、基本的な対応策は黙殺と記しています。

そして、誹謗中傷者は中傷を行うことで自分自身を不幸にさせるとも伝え、気付かせることも対策として有効だと語っています。

まとめ

今回は、旧ジャニーズ事務所の不祥事対応について郷原氏がサイト内で語っていた内容についてご紹介してきました。

世の中から批判が集まった事件で木目田弁護士は表立って活動をしています。

しかし、郷原氏はその行動を疑問視し、「不祥事対応のエキスパート弁護士」としてアピールするためだと語っています。

木目田弁護士の真意は不明ですが、西村あさひ法律事務所のニューズレターを通じて特定の人物からの攻撃を受けていると執筆しています。

このことから、木目田弁護士の主張は郷原弁護士に対するものなのではないかと推測できます。

木目田弁護士は、世間から大きく注目されている問題の弁護を担当する人物です。

危機管理実務の創始者でもあり、これまでに多くの問題に対応してきた実績があります。

SMILE-UP.による補償問題はまだまだ終わりが見えませんが、今後も事務所に対して助言や指導を実施していくことが予想できるでしょう。