株式会社ドン・キホーテ社長、安田隆夫氏の経歴と事業への思い

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『ドン・キホーテ』といえば、日本で知らない人はいない大手ディスカウントストアです。1989年に1号店をオープンしてから、一代で売上高1兆8700億円を記録しています。
築き上げたのは、社長の安田隆夫氏です。いったいどのようにして小売業界に参入し【激安の殿堂】を作り上げたのでしょうか。

今回は安田隆夫氏の経歴を中心に、ドン・キホーテの事業内容や最新情報などをご紹介したいと思います。

株式会社ドン・キホーテの概要

株式会社ドン・キホーテは、東京都目黒区に本社を構える企業です。主にディスカウントストア『ドン・キホーテ』の運営をしています。

1号店である「ドン・キホーテ府中店」は、1989年に東京都府中市でオープンしました。最初は平屋の小さな店舗で、倉庫形式で商品を販売していました。
その後、総合ディスカウントストアとして展開していったそうです。

ドン・キホーテの特徴

商品の種類が非常に多いことで有名で、パーティー用品のほか、食料品、化粧品、日用品、衣料品、レジャー用品、家電製品、宝飾品、ブランド品など、幅広く取り扱っています。
営業時間は基本的に午前9時から11時に開店し、深夜3時から5時に閉店しています。24時間営業の店舗も一部あり、長時間、深夜も営業しているため利便性の高さも人気です。

また、店内のいたるところで見かけるPOP広告もドン・キホーテの特徴です。この広告は印刷ではなく手書きで、各店舗のPOP職人が売り場の担当者と一緒に作っています。
丸くて太い印象的なフォントはドン・キホーテ独自のもので、インパクト抜群です。

安田隆夫氏の経歴

次に、創業者である安田隆夫氏の生い立ちや経歴をご紹介します。

ドン・キホーテができるまで

安田氏は1949年に岐阜で生まれました。1973年に慶応義塾大学を卒業しています。
1978年に東京・杉並区に個人営業で18坪のディスカウントストア『泥棒市場』をオープンしました。事業は波に乗り成功しましたが、5年後に売却し現金問屋の運営を始めます。こちらも成功を収めました。
しかし、再度小売業へ参入したいと思い、1989年に府中でドン・キホーテ1号店をオープン。

こうしてディスカウントストア『ドン・キホーテ』は誕生しました。

止まらない成長

安田氏は株式会社ドン・キホーテの代表取締役社長として全国展開の指揮を執り、2005年に代表取締役会長兼CEOに就任しています。
株式会社ドン・キホーテは株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)に名前を変えましたが、その後も成長を続け、2000年に東証1部上場を果たしました。

1号店開店以来、32期連続増収増益を達成し、2021年6月期の年商は1兆7086億円、国内外の総店舗数は667店となっています。

安田隆夫氏の現在

2015年6月にPPIHの代表取締役会長兼CEOを退任しています。その後、創業会長兼最高顧問に就任するとともに拠点をシンガポールへ移して、Pan Pacific Retail Management(Asia)Pte. Ltd. の会長兼社長兼CEOとして日本産品専門のコンセプトショップ「DON DON DONKI」を創業しました。

また、2005年に公益財団法人・安田奨学財団を設立しています。
同財団理事長として、国際的人材の育成と、海外諸国との友好・親善事業にも取り組んでおり、今なお精力的に活動を続けていることが分かります。

著書の紹介

「ドン・キホーテの「4次元」ビジネス-新業態創造への闘い」(2000年、広美出版事業部)
バブル崩壊後の逆風の中で驚異的な成長を遂げたドン・キホーテの過程と方法論を知ることができる一冊です。


「ドン・キホーテ闘魂経営-ゼロから始める成功の極意」(2005年、徳間書店、月泉博との共著)
夜マーケットの発掘と制覇の方法、そして数々の経営危機をいかに乗り越えてきたかを知ることができる一冊です。


安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生(2015年、文藝春秋、月泉博との共著)
ドン・キホーテがいかにして生まれたか、安田氏の生い立ちとともに知ることができる一冊です。

安田隆夫氏は自身の経験に基づく様々なビジネス書を出版しています。これからビジネスを始めようとしている方、大企業の社長の考えを知りたい方、逆境を乗り越える力を身につけたい方などにおすすめです。

ドン・キホーテの最新情報

現在も成長を続けるドン・キホーテの最新情報をお届けします。

『ドン・キホーテ』がシンガポールでも大人気!その理由とは?

ドン・キホーテはシンガポールに進出して5年経ちますが、すでに12店舗にまで拡大するほど人気です。在留日本人だけでなく、現地のシンガポール人の間でも歓迎されているといいます。それはいったいなぜなのでしょうか。

大きな理由は、シンガポールにいながら日本に旅行している気分を味わえるからです。日本の店舗と同じく品ぞろえが多く、季節ごとに商品は入れ替わります。青果や肉、魚、お菓子などがずらりと並び、お寿司なども扱っています。

店舗ごとに内装が違うため、お祭りや旅行のように感じられて多くの人の心をつかんでいるのだそうです。

安田隆夫氏の海外進出への思い

海外進出を決めた際、安田氏は「日本と同じドンキを作っても意味がない」と感じていたそうです。そこで目を付けたのが日本の食品でした。

シンガポールでは人気の高い日本の食品が、日本の2倍から4倍ほどの値段で売られていました。現地では「ハーモニープライス」と呼んで当たり前のこととして受け入れられていましたが、安田氏は「こんなにお客様を軽視した話はない」と憤ったそうです。企業原理である「顧客最優先主義」と真逆の状態だったからです。

これを解決すれば、日本の食品を作る人たちを支援することにもつながります。シンガポールの消費者にも喜ばれ、日本のイメージも向上するため、安田氏はこれまでキャリアを積み上げてきた自分だからこそできる社会貢献である、と思いました。

こうして、シンガポール版ドン・キホーテである「DON DON DONKI」が誕生しました。
海外進出の裏ではシンガポールに住む人だけでなく日本の働く人たちのことも考えた、安田氏の強い思いがありました。

参考URL:https://www.esquire.com/jp/culture/column/a40738133/dol-don-quijote-is-very-popular-in-singapore/

まとめ

今回は株式会社ドン・キホーテ(現PPIH)社長、安田隆夫氏の経歴と事業への思いをご紹介しました。
安田氏が1989年にオープンしたドン・キホーテは驚くべき速さで成長し、日本で知らない人はいない大手ディスカウントストアとなりました。
長時間営業、バラエティに富んだ商品、インパクトのあるPOP広告などが多くの人の心をつかみ、1号店開店以来、32期連続増収増益を達成しています。

数々の苦難を乗り越えながら巨大企業へと自社を成長させた安田氏は、数多くのビジネス書を出版しています。

現在はPPIHの代表取締役会長兼CEOを退任後、拠点をシンガポールへ移し、海外版ドン・キホーテである「DON DON DONKI」を創業するなど今なお精力的に活動を続けています。
海外進出に対しても並々ならぬ思いがある安田氏は、今後も「顧客最優先主義」の企業原理を掲げ人々の助けになる事業を続けていくでしょう。