現在、J-POPは1つのカルチャーとして世界的にも広く知られています。
J-POPの主役と言えるのはやはりアーティストたちですが、その裏でたくさんの人が支え続けてきた歴史があります。
今回はJ-POP業界を牽引してきたエイベックスの会長、松浦勝人氏の「破壊者」という本をご紹介していきます。
エイベックスや松浦勝人氏について知りたいという方に向けて、エイベックスがどのような会社なのか、松浦勝人氏はどんな人物なのかも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
エイベックスの概要
まずは現在松浦勝人氏が代表取締役会長を務めているエイベックス株式会社についてご紹介しましょう。
会社概要
エイベックス株式会社は1988年に創業された会社です。
元々は輸入レコードの卸会社として機能していましたが、1990年には三和グループや日立グループの系列から出資を受け、レコード部門「avex trax」を設立します。
本社は東京都港区南青山にエイベックスビルを設けており、グループ従業員は2020年3月31日時点で1556名にも上っています。
また、資本金は約43億円と非常に規模の大きい会社であることが分かるでしょう。
事業内容
エイベックスではエンタテインメントのコンテンツを創出・発信するための事業を展開しています。
例えば音楽事業では、単に音楽を制作するだけでなくマーチャンダイジングの企画から制作、販売を手掛けるだけでなく、音楽配信サービス、音楽著作権の管理・開発なども手掛けています。
他にもアニメ・映像事業やアーティストやタレントへのマネジメント事業、デジタルプラットフォーム事業、海外事業、新規・テクノロジー事業など、注力事業とのシナジーにもつながるような多岐にわたる事業を展開中です。
松浦勝人氏の人物像とは
J-POP業界の歴史にも深く携わってきた松浦勝人氏とは、実際にどういった人物なのでしょうか?
続いては松浦勝人氏の人物像について迫ってみました。
松浦勝人氏の経歴
松浦勝人氏は日本大学経済学部産業経営学科に在学中、貸レコード店でアルバイトを始めました。
そこには高校時代からの同級生で、現在エイベックス株式会社取締役COOを務めている林真司氏や、元取締役の小林敏雄氏も一緒にバイトをしていたそうです。
その後、勤めていたお店のオーナーに認められ、オーナーと松浦氏の父が出資し、株式会社ミニマックスを設立します。
松浦勝人氏はそこで代表取締役に就任し、フランチャイズの貸レコード店を開業したのです。
2年後には現エイベックス株式会社となる「エイベックス・ディーディー株式会社を設立し、レコードやCDの輸入卸売業を始めました。
音楽レーベルとしてavex・traxを設立したのは1990年で、1996年になるとクラブで知り合った浜崎あゆみをデビューさせるために、ニューヨークへ移り、2年間レッスンやトレーニングを受けられるように手掛けています。
2004年になるとエイベックス・グループの持ち株会社である「エイベックス・グループ・ホールディングス」(現エイベックス株式会社)の代表取締役社長に就任しました。
2009年には第4回渡辺晋賞を受賞し、その翌年にはエイベックス代表取締役社長CEOに就任するなど、これまでの功績が認められています。
また、2020年に浜崎あゆみの自伝「M 愛すべき人がいて」がドラマ化されて話題となりました。
現在はエイベックスCEOを退任しているものの、代表取締役会長には留任しています。
インタビュー記事から見えてくる人柄
日本のエンタテインメントを司るような大きい会社を経営していることに対して、松浦勝人氏は「初めはどんな仕事をすればいいのか、何一つ分からなかった」と語っています。
当時松浦氏は既に会社を経営していたものの、それはあくまで小規模の会社社長であり、株主総会などもどうしていいのか分からなかったということです。
また、大規模な会社ということもあり、万が一トラブルに発展した際の重責や、何が起こるか分からない恐怖心が頭から離れなかったと言います。
松浦氏のような経営者となると、こうした重責や恐怖心はあまり感じないように思えますが、実際は違うようです。
楽観的なタイプではなく、寝ていても1時間に1回は起きてしまい、あまりに眠れないことから入院することもあったと言います。
それほど悩みながら会社を経営してきたことが分かります。
Twitterではどんなことを呟いている?
松浦氏はTwitterも運用しており、過去の写真や趣味の釣りに関する呟きを投稿しています。
2020年の春頃には作品作りに携わっているという内容も投稿しており、久しぶりの新作ということでJ-POPファンは大きな期待を寄せていました。
また、現在はYouTubeでも動画投稿を行っており、主に釣りに行った時の映像や実際に会社で仕事をしている時の映像などが見られます。
松浦勝人氏の著書「破壊者」について
松浦勝人氏は2018年7月に幻冬舎から「破壊者」という本を出版しています。
具体的にどのような本なのか、そして実際に読んだ人からはどんなレビューが集まっているのか、ご紹介していきます。
本の概要
破壊者は、元々「GOETHE(ゲーテ)」という雑誌の中で連載されていたものを書籍化したもので、松浦勝人氏がこれまでどのような思考で仕事に取り組んできたのかが分かる内容となっています。
帯には「理想的な経営者になるなんて僕には無理だとわかった」というメッセージが記されており、世間一般的に成功を収めている経営者とは違うタイプの人が綴った本であることが分かります。
他にも松浦氏の経営論だけではなく、アーティストとの関係性なども描かれた場面があり、ビジネス書としてはもちろん、J-POP業界に造詣が深い人も思わず手に取りたくなる本です。
「破壊者」を実際に読んだ人のレビュー
破壊者を読んだ人はこの本に対し、どのような感想を持ったのでしょうか?
いくつかレビューをご紹介していきます。
雑誌で毎月語っていた「心情日記」のようのものが、一冊になったもの。本人も「はじめに」で言っている通り、そのときの気分で書いているので、月日の経過とともにブレはある。それがいい。
成功者の心理の「揺れ」が垣間見れる。
その呟きの一つ一つが啓発的な言葉として響いてくる。
成功者特有の「勝利の方程式」は本書にはない。
どうしたら面白いことが出来るか?
それだけを考える松浦勝人は、まさにエンタティンメント業界の申し子である。往年の映画界や興行界の創業者たちの思考。そこに通じるものがあるのではないか。
日記形式なので、論理性はない。
だが、そのぶん、言葉が響いてくる。
少し前に読んだサニーサイドアップの社長次原悦子を描いた「楽しい騒ぎを起こしたい」とにた清涼感を得た。
努力でも、技術の差でもなく、好きで働いている人には誰も勝てないものだ。
つくづくそう思った。
論理的なビジネス本とは違い、あくまで松浦氏の思考を垣間見る本です。
そのため、ビジネスを成功させるために見るというよりも、どのような思考・心理で仕事に携わるべきかが学べます。
自分も経営者なので刺激が欲しくて、経営者の書籍はほとんど読みます。
経営者の中では、松浦勝人さんが一番好きです。
社員10人にも満たない自分の会社とは、比較にもならないのに一番親近感がわきます。
夢も苦労も現実も達成感も、満たされぬ感覚も充実感も全てが1つになった、本当に良い本です。
読んでいて、
「まだ自分も足掻き足りない。」
と思える良い経営者です。ずっと応援し続けたいと思います。”
世間のイメージとは異なり、親近感を覚える人も多いようです。
経営者はもちろん、現在起業を考えている人やこれから新しいことにチャレンジしていきたいと考えているビジネスマンにもおすすめです。
まとめ
今回はエイベックスで会長を務める松浦勝人氏の人物像や、著書「破壊者」についてご紹介してきました。
小さなレコード店から始まり、現在はJ-POPを牽引するような大規模な会社の運営に携わっています。
「破壊者」の中では成功するまでの苦悩なども描かれており、その時々での思考をありのまま書かれているため、ビジネス書としてはもちろん、自伝を読むような感覚で楽しめるでしょう。
特にこれから何か始めたいという方におすすめしたい本と言えます。