カー用品を販売するイエローハットは、全国に店舗を展開する大手企業です。
人々のカーライフを快適にするサポートを続けているだけに、利用者も多くいるでしょう。
高い知名度を誇る企業ですが、創業者である鍵山秀三郎氏について気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、株式会社イエローハットの創業者、鍵山秀三郎氏の人物と著書「凡事徹底」についてご紹介します。
目次
イエローハットの会社概要
社名:株式会社イエローハット
代表者:堀江 康生
本社所在地:東京都千代田区岩本町1-7-4
設立日:1962年3月
売上高:1,410億31百万円(連結)(2020年3月期)、1,392億00百万円(連結)(2019年3月期)
事業内容:カー用品等の販売(卸売及び小売)
株式会社イエローハットは、カー用品・部品の販売と取り付けを中心とした企業です。
近年はオートバイ用品専門店「2りんかん」や新車・中古バイク販売店「バイク館 SOX(ソックス)」を加え、イエローハットグループとして規模を拡大しています。
イエローハットは全国で700店舗以上を展開しており、2020年3月期には売上高も1400億円を突破しました。
「関わる人すべての幸せ」を第一とする創業精神のもと、地域に根差した店舗設計をしています。
“あなたの道で あなたの街で お役に立ちます イエローハット!”
のキャッチフレーズは、CMやチラシでもお馴染みでしょう。
企業理念は「思いやりの心を磨き、関わる人すべてに、喜びと感動を与える」です。
人々のカーライフを手助けする店舗を実践しており、車に乗るすべての人が安心・安全・快適に過ごせる車内空間づくりをサポートしています。
イエローハット鍵山秀三郎氏の経歴と人物像
株式会社イエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏は、起業家に多いバイタリティ溢れるというイメージではなく、ニコニコとした笑顔で優しい物腰をしています。
鍵山秀三郎氏は、1933年8月に東京都で生まれました。
学校は岐阜県の岐阜県立東濃高等学校を卒業しています。
一時は中学校の代用教員を務めてものの、1953年にデトロイト商会に入社しました。
1961年にはデトロイト専務取締役を退任し、東京で自動車の行商を個人でスタートします。
翌年には株式会社ローヤルを設立し、代表取締役社長として、仙台や名古屋など各地に営業所を開設していきました。
転機を迎えたのは1976年で、これまでの卸売りから小売りに業態転換し、東京都千代田区にあった本社も東京都大田区北千束に移転させます。
直営のカー用品店を設立して、車に乗る人へ直接販売を開始したのです。
1997年には東証一部上場も果たし、社名も「株式会社イエローハット」へと変更しました。
鍵山秀三郎氏は翌年に社長を退任し、同社相談役に就任していますが、2008年に同相談役を辞任しました。
鍵山秀三郎氏著書「凡事徹底」について
株式会社イエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏は、1994年11月に著書「凡事徹底」を発売しました。
鍵山秀三郎氏は、理想の会社をつくるために凡事を徹底した人物としても知られています。
ここでは、本の内容は口コミに対する考察についてご紹介します。
本の内容
鍵山秀三郎氏は凡事を貫いてきた経営者であり、著書「凡事徹底」には「当たり前のことを当たり前にやる」という価値観が描かれています。
鍵山秀三郎氏は社員の心の平穏をつくるため、30余年も社内の掃除を自らしてきました。
しかし最初の10年は変化がなく、「他のカー用品店も汚いのに、なぜウチだけキレイにする必要があるのか」と社員から批判されることもありました。
利益を追求せずに掃除ばかりに注力する社長を見て、取引を止める企業も出たくらいです。
それでも鍵山秀三郎氏は掃除を続け、やがてイエローハットに良い影響が出始めます。
たとえ非合理なことであっても、人を思い、正しい行動を続けることが大切です。
ビジネスを超えて、人間性を成長させるための教訓が書かれた本です。
レビュー紹介
ネットには「自己啓発系の本の中では良書だった」といったような口コミがありました。
「長い間、会社のトイレや道路を掃除し続けるのは、まさに凡事徹底。見習わなくてはならない」というような意見もあり、共感を得ているようです。
掃除に限ったことではありませんが、いかに正しいことであっても周囲から認められなければ、なかなか長続きしません。
批判され続けている中でも、人としてやるべきことを日々全うしていくのは余程の精神力が必要でしょう。
中には「掃除によって、細かい事柄に気付けるようになる」といった口コミもありました。
掃除では床や天井や部屋の隅など、綺麗にするために細かい箇所にも目を向けます。
この細部に注目するという視点は、ビジネスにも通じるものがあるのではないでしょうか。
仕事でも掃除をする時のように丁寧に辺りを見回すことで、些細なミスや見落としに気づき、問題を解決できることがあります。
「凡事徹底」から学べることとは
「凡事徹底」は、掃除のように一見非合理と思われる行動にも、実は意味があると思わせてくれる本です。
現代はネットの普及から、誰もが情報発信と収集を簡単にできる時代です。
ITを中心に様々なビジネス分野で、作業の効率化とスピードが求められています。
そんな時代だからこそ「余計なことはしなくていい」と言われた中でも掃除を実践し続け、社風の改善や企業成長へと結びつけた鍵山秀三郎氏の行動は学ぶに値するでしょう。
人としての在り方を教えてくれる一冊は、立場や年齢が変わった時に読むとまた違った発見があるはずです。
イエローハットの今後の展望を予想
カー用品市場は、若者の車離れなどニーズが刻々と変化しています。
イエローハットでは、ここ数年の世間のニーズに合わせて、車のメンテナンスや消耗品販売を充実させるようになりました。
車業界の市場が厳しくなる中で、イエローハットが売上を伸ばしているのは、商品やサービスへの柔軟な対応力があるからです。
店舗でのお客さんとのコミュニケーションを大切にしている点も、リピーター定着に影響しているでしょう。
今後はグループの規模を拡大しつつ、人々が求める商品を提供していくと思われます。
本記事のまとめ
株式会社イエローハットの創業者、鍵山秀三郎氏は、社内の掃除を長年続けて凡事を貫いた人物です。
著書「凡事徹底」には、鍵山秀三郎氏が掃除をし続けたことで受けた批判や会社への影響が書かれています。
社内のトイレや道路を綺麗にする非合理な行動からは、「人としてどう在るべきか」という人生の教訓を学べるでしょう。
人間性の成長によって、ビジネスを好転させたい方に読んでほしい一冊です。