WHILL代表の杉江理氏がおすすめする本とは?

本を眺める女性
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杉江理氏はWHILL株式会社の代表取締役兼CEOを務める人物です。

WHILL株式会社は次世代型のパーソナルモビリティを手掛ける会社で、少子高齢化社会の時代に合った製品を送り出していると注目されています。

そんなWHILL株式会社の代表である杉江理氏に影響を与えた本とは、どんな作品なのでしょうか?

今回は事業内容や杉江理氏の経歴と共に、おすすめの本をご紹介していきます。

 

WHILL株式会社の事業内容

車椅子の画像

WHILL株式会社は2012年5月に代表兼CEOの杉江理氏、現取締役CDOの内藤涼平氏、現取締役兼CTOの福岡宗明氏の3人によって創設されました。

当時は小さなアパートでものづくりを始めましたが、今は横浜に日本本社を持ち、京都やアメリカ、欧州にも法人があり、2019年3月末時点で約200人の従業員が働く大きな企業に成長しています。

WHILL株式会社が生産・販売しているのは、パーソナルモビリティです。

パーソナルモビリティとは1人乗り専用のコンパクトな乗り物で、WHILL株式会社では次世代型の車椅子を手掛けています。

“すべての人の移動を楽しくスマートにする”

という言葉をミッションとしており、自動運転システムなどの最新テクノロジーと安全に利用できるデザイン性に優れた誰もが乗りたいと思うパーソナルモビリティの開発を行っている会社です。

 

杉江理氏の経歴について

車椅子全体

杉江理氏は1982年に静岡県で生まれ、立命館大学の経済学部を卒業しています。

3回生が終わる時期に日産の自動車セミナーに参加したことで転機が訪れました。

日産のプロダクトデザイナーの話を聞いた彼は、ものづくりに強く惹かれ自動車メーカーへの就職を考えました。

大学卒業後は専門学校に通ってプロダクトデザインを学び、一度就職に失敗した日産へ入社します。自動車の外装デザインを手掛けていたそうです。

その後は中国やオリビアなど海外を巡りながら何か新しいことにチャレンジしたいと考えていました。

その際、車椅子を使う方と出会い、車椅子を使うとかっこ悪い、病人に見える、能力が限定される、坂道や路面によっては移動しづらいなど、心理的な悩みから物理的な悩みを持っていることを知りました。

その時、かっこよくて便利な車椅子があれば面白そうという考えから、自動車業界や家電業界で働く友人に声をかけて、次世代型車椅子の開発に乗り出したのです。

試行錯誤を繰り返して完成された車椅子は2012年に東京モーターショーに出展しますが、そこでオーエックスエンジニアリングの創業者である石井重行氏に叱咤されてしまいました。

当時コンセプトモデルだけは完成していたものの、製品化までの考えはありませんでした。

しかし、製品化しないとなれば夢を見る車椅子ユーザーにとっては残酷なことだと、石井重行氏は強く叱責したのです。

本気で作る気がなければ辞めろ」とまで言われてしまいますが、石井重行氏の言葉に影響を受けた創業者3人は本気で取り組もうと決意し、WHILL株式会社を起業しました。

 

杉江理氏は世界マーケットを目指しており、2013年にはスタートアップ企業が多いシリコンバレーにも拠点を設けて資金調達を行います。

始めは苦戦したものの、将来性とチーム制が認められてベンチャー企業や個人投資家などから約2億円の資金調達に成功しました。

2014年5月には初モデルの「Model A」が登場し、当初製造した50台は発売と同時に即完売となりました。

想像以上の反響に製造体制を見直す必要があり、国際的な認証工場が豊富な台湾で製造を考え、何社も掛け合った結果、ビジョンが一致した板金などの製造会社に製造請負を締結します。

製造体制が整ったWHILL株式会社は世界中に自社の車椅子を供給しており、またユーザーの意見を取り入れたモデルの開発に尽力しています。

 

杉江理氏がおすすめする『海賊と呼ばれた男』をご紹介

本棚

杉江理氏が影響を受けたという本は、百田尚樹氏の『海賊と呼ばれた男』です。

映画化されている作品なので、タイトルは聞いたことがあるという人も多いでしょう。

一体どのような内容なのか、また杉江理氏は本から何を学んだのか考察していきます。

 

『海賊と呼ばれた男』の内容

この作品は国岡商店の店主である国岡鐡造の生涯と、大企業に成長するまでの流れを描いた歴史経済小説です。

主人公のモデルは出光興産の出光佐三氏で、上下巻は累計420万部を突破するベストセラーとなりました。

物語の時代は1945年、連合国と日本の戦争は終戦を迎えましたが、爆撃を受けた主要都市は瓦礫の山と化し、海外資産を失い多額の賠償金が課せられていました。

人々は失意に包まれますが、国岡鐡造は資産を失い、借金を背負う中でも1000人を越える社員を一切解雇せず、石油を武器に再建へ向けてチャレンジします。

日本で扱う商品の中に石油がなく、鐡造は石油の輸入再開が必要だと考えました。

石油輸入の再開条件に石油タンクの底溜まり原油の組み出しを提案されます。

この作業は海軍軍人も避けたいほど過酷な作業ですが、鐡造と従業員は果敢に挑み、石油の輸入再開となります。

消費者に安く提供しようと考えて直販を採用し、伝馬船販売にて石油の販売を行います。

鐡造が海賊と同業者から呼ばれた理由は、荒々しい働き振りからのようです。

活躍は世界でも群を抜く国岡商店の前には、統制経済を推進する日本政府や欧米系石油メジャー、英国海軍が敵として立ちはだかるものの、大胆に挑んでいくストーリーとなっています。

 

杉江理氏が学んだこと

不況の中でも1000人以上の従業員を抱える鐡造は、大家族主義と人間尊重の信念を持っていました。

従業員を家族と思っているので、身勝手な理由でクビにすることは信念に違反する行為です。

作品では従業員が謀反は起こっておらず、店主に強い信頼を寄せていることが分かるでしょう。

また、鐡造は会社のため、国家国民のために必要とされる石油販売を行っていました。

そのために、国や大きな会社相手にも果敢に戦っていく姿が作品で描かれています。

作品では経営者としての在り方や考え方を知ることができ、そこに杉江理氏は共感や憧れを抱いたのではないでしょうか。

また、自分の利益よりも社会に貢献する意思の強さも影響を受けたのだと考えられます。

『海賊と呼ばれた男』の口コミレビュー

ジャンルとしては歴史経済小説ということで、専門用語も頻出して登場人物もかなり多くなっていますので、これまでの著者の作品群と比べると若干読み進めるのに苦労するとは思いますが、非常に示唆に富んだ内容を多く含んでいて、読者個々人の人生観に大きな影響を及ぼすような、そんな強力なポテンシャルを秘めた作品にもなっています。

引用元:amazon

少し難しさがあるものの、作品の面白さに惹かれる人は多いです。また、個人の人生観に影響を与えるポテンシャルを秘めていると評価されています。

実際、杉江理氏以外に将棋士の藤井聡太氏も愛読書に挙げており、多くの人に影響を与えている作品だと言えるでしょう。

 

WHILL株式会社の今後の展望

車椅子

WHILL株式会社はこれまでユーザーの意見や要望を取り入れながら、次世代型車椅子を世に送り届けてきました。

しかし、従来の商品だけでは“すべての人の移動を楽しくスマートにする”というビジョンを達成できないと考えています。

高齢化と長寿命化により長距離を歩けない人は増えると予想されるでしょう。

WHILL株式会社は通常のインフラ感覚でスマートに移動できる仕組みが必要と考え、新しいサービス・システムの創造を計画しています。

世界では空港や商業施設に導入したいという声も寄せられており、広い施設では人やものにぶつからず走行できること、介助・回収の手間を減らすなどの条件が課題です。

現在は今までの車椅子にはない機能の研究を続けており、観光地や空港、駅など幅広いシーンで常用される設備として浸透する製品開発に努力しています。

研究が進み、サービスが実装されれば車や自転車と同じくらい目にする機械が増えるのではないでしょうか?

世界からも注目されているので、将来性のある企業だと言えます。