日本のビール界にドライ旋風を巻き起こしたアサヒスーパードライは、クリアな辛口という新しいビールの味でトップシェアの座を獲得しました。
爆発的なヒット商品を生んだアサヒビールは現在、アサヒグループホールディングスとなってさらに新しい価値を提供し続けています。
今回は、アサヒグループホールディングス会長の泉谷直木氏がおすすめする本をご紹介します。
目次
アサヒグループホールディングスと泉谷直木氏
アサヒビールやアサヒ飲料などのグループ会社118社をもつアサヒグループホールディングスとは、どのような会社なのでしょうか。
まずは会社の概要を、そして会長である泉谷直木氏についてもご紹介します。
会社の概要
- 社名:アサヒグループホールディングス株式会社
- 本社所在地:東京都墨田区吾妻橋1-23-1
- 設立年月日:1949年9月1日
- 代表者:代表取締役社長兼CEO 小路明善
- 連結売上収益:20,890億円(2019年12月期実績)
主な事業は以下の通りです。
酒類事業
アサヒビール主力商品のアサヒスーパードライを筆頭としたビール、クリアアサヒやアサヒ ザ・リッチなどの新ジャンル、スタイルフリーなどの発泡酒、海外ブランドのビールなどをアサヒビール株式会社が製造・販売しています。
また、ウィスキーやブランデー、ワインなどの製造を行うニッカウヰスキー株式会社や、ワイン製造のサントネージュワイン株式会社、ビール園を展開するアサヒフードクリエイト株式会社やワイン事業専業商社のエノテカ株式会社もグループ会社です。
飲料事業
三ツ矢サイダー・カルピス・ワンダ・十六茶などのドリンク類を製造販売するアサヒ飲料株式会社、乳製品の製造販売をするカルピス株式会社、自動販売機事業のアサヒ飲料販売株式会社などがあります。
食品事業
ベビーフードや菓子、サプリメントを扱うアサヒグループ食品株式会社、フリーズドライ食品の日本エフディ株式会社などがグループ会社です。
国際事業
ヨーロッパのアサヒインターナショナル、オセアニアのアサヒホールディングスオーストラリア、アジアの北京?酒朝日有限公司、東南アジアのアサヒグループホールディングスサウスイーストアジア、北米のカルピス ビバレッジ U.S.A.があります。
泉谷直木氏の紹介
京都出身の泉谷直木氏は、大学卒業後の1972年4月にアサヒビールに入社しました。
1990年代、アサヒスーパードライが国内ビール月間売上数でトップとなった時、広報企画課長として知恵を絞り続けた人物です。
その後、広報部の部長を経て経営戦略部長に就任、2003年には取締役に就任しています。
持ち株会社への移行のタイミングで、アサヒグループホールディングスの代表取締役社長に就任、現在は取締役会長を務めています。
日本を代表する実業家として知られ、変化を見据えながらアサヒグループをグローバル企業へと飛躍させた立役者となった人物です。
その他にも、ニューオータニの取締役、リクルートホールディングスの取締役、大林組の取締役なども務めました。
グローバル企業を安定経営に導いてきた泉谷直木氏の経営哲学を知りたいという人は多いのではないでしょうか。
泉谷直樹氏がおすすめする本
世界で通用する企業を作り上げてきた泉谷直木氏のおすすめ本「春宵十話」には、将来を見据えなければならないビジネスマンに必須となるエッセンスがちりばめられています。
本の内容
「春宵十話」は天才数学者として知られる岡潔の随筆集です。
人生と人について、教育や芸術、宗教についてなど数学とは関係がなさそうなテーマが取り上げられています。
しかし、人間がかかわるもの全ての根底には必ず「情緒」があり、情緒を理解していないと、どんな分野でも道を踏み外すことになる。
人間の中心は情緒であると語っている本書には、道を究めた人だからこそ分かる境地が記されていると言えるでしょう。
最も論理的な学問である数学を極めた人が、情緒の大切さを語る本です。
レビュー紹介
泉谷直木氏のおすすめ本「春宵十話」を実際に読んだ人は、どのような感想を抱いているのでしょうか?。
何十年も前から数学には、情緒が大切だと説いた著者の憂いは、現在、現実のものとなっているのかもしれない。
著者は、詰め込んだり急いだりする教育に警鐘を与えていた。
本書は、何が大切なのか本質を見据えるきっかけになるでしょう。
引用元:Amazon
「春宵十話」を読んでいる人は、自己研鑽への意欲の高い若手の経営者や、企業トップと接する機会の多いビジネスマンなどの層が多いことがレビューからは推察されます。
明日からのビジネスに役立つヒントを求めている人が、「春宵十話」から多くの気付きを得ています。
今のビジネスに何かが足りないと感じている人にとって、人生について考えるきっかけとなる1冊と言えるでしょう。
「春宵十話」と泉谷直木氏
天才数学者の岡潔は「春宵十話」の中で、人の中心は情緒であると語っています。
情緒が健全に育ってこそ、数学が理解でき、人生が理解できるということです。
そして情緒を深めるためには、人はじっくりと成熟すべきとも語っています。
一流の学者が語る人生哲学こそ、一流経営者である泉谷直木氏が多くのビジネスマンに触れて欲しい普遍的なテーマなのでしょう。
実際に、泉谷直木氏は「春宵十話」から人生の原理原則を感じ取り、自分の考えを練り上げるヒントにできると語っています。
物事は深く本質を探究していくもの、ビジネスも然りです。
経営者に必要な能力として、泉谷直木氏は「戦略構築」「目標達成」「リーダーシップ」の3つを上げています。
ビジネスの戦略を練るには、時代を先読みし課題を自社そして世界に置き換え続けなければなりません。そこには情緒が欠かせないでしょう。
さらに、結果を出せない経営者ではダメで、いかに目標を達成し続けるかの手腕は非常に重要です。
企業が結果を出すためには組織力が大切で、この力を引き出すにも情緒が必要となるでしょう。
そしてもちろん、経営者のリーダーシップとは人間的な魅力がなければなりません。
良い経営者とは、まさに情緒というものの本質を理解してこそ育つ、泉谷直木氏は「春宵十話」をそのように受け取ったのではないでしょうか。
まとめ
今回は、泉谷直木氏の人物像と、おすすめの本「春宵十話」についてご紹介しました。
泉谷直木氏は、企業人として大勢の人材をまとめ上げてきた人物です。
会長を務めるアサヒグループホールディングスは、118社ものグループ企業を抱える大グループで、アジアやヨーロッパ、北米などに45の拠点を持つなどグローバルな事業展開を行っています。
アサヒグループホールディングスは、長期的に安定して成長するための新しいチャレンジをし続けています。
今後も新しいことにチャレンジできる体制を整え、社員そして顧客の信頼関係を大切にしながら成長し続けるでしょう。
「道を外れない」そんな会社であり続けるのではないでしょうか。
泉谷直木氏の人物像とおすすめの本「春宵十話」からは、良い情緒を育むことがビジネスだけでなく人生のベースになっているという哲学が伝わってきます。
人を活かし、人に活かされる、ビジネスの現場では常に人材の組み合わせが鍵となります。
アサヒグループホールディングスと泉谷直木氏の今後に注目しながら、ぜひ「春宵十話」を手に人生の奥深さを味わってみてください。
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