齋藤正勝社長は、インターネット専業の証券会社であるカブドットコム証券の代表です。
カブドットコム証券の立ち上げに携わった人物の1人として知られています。
今回は、カブドットコム証券や齋藤正勝社長についてご紹介していきます。
目次
カブドットコム証券の事業内容
カブドットコム証券は、現物株式や株式公開買付(TOB)、投資信託などの商品を取り扱っています。
また、NISA(少額投資非課税制度)や積立NISA、自動売買などのサービスを提供し、投資家のサポートを行っています。
自社開発をした機能が充実しているツールの提供も行っているため、カブドットコム証券を介した投資は魅力的だと言えるでしょう。
オンラインセミナーや会場セミナーなども定期的に行い、投資に関する知識を深められるような取り組みも行っています。
カブドットコム証券で口座を開設している人同士が相談し合えるコミュニティや株式投資に特化しているSNSもあります。
このように投資家同士のコミュニケーションが活発になっている点は、カブドットコム証券の大きな特徴です。
社長の経歴
続いては、カブドットコム証券の齋藤正勝社長の経歴について見ていきましょう。
齋藤正勝社長は、1966年5月に東京都に生まれました。1989年に多摩美術大学美術学部を卒業しています。
大学時代は、学業よりも音楽活動にのめり込んでいて、プロになりたいと考えていたそうです。
しかし、齋藤正勝社長は大学を卒業後、野村システムサービスへシステムエンジニアとして入社しました。
1993年には第一證券株式会社に転職しますが、親会社である日本長期信用銀行が不良債権を抱えてしまったため、経営危機に陥りました。
齋藤正勝氏は同時期に、ネット証券会社を立ち上げるという構想を持ち始めました。
ネット証券会社を実現させるために、出資先を探し歩いたと言います。
この行動力は本当に凄いところですね!
そして、ネットでつながった仲間とネット証券会社を設立するために本格的な行動を始めた頃、伊藤忠商事でIT部門を担当していた小林栄三社長と出会いました。
ネット証券の将来性に早い段階で気が付いたからこそ、このような出会いを手にできたと考えられます。
この出会いがきっかけとなり、伊藤忠商事株式会社へ転職し、日本オンライン証券設立のシステム部長に就任しました。
2001年に日本オンライン証券が旧三和銀行系列のイー・ウイング証券と合併することになり、カブドットコム証券として新たなスタートしました。
2002年には最高業務執行責任者に就任し、わずか1年で黒字化を達成、2年で累損損失を解消することに成功しました。
このような功績を残した齋藤正勝社長は、2004年に代表取締役社長に就任します。
カブドットコム証券ならではの強みを活かした事業を展開できたことが、このような成果につながっているのではないかと考えられます。
しかし、2009年にカブドットコム証券の社員が関与するインサイダー取引事件に関する調査報告書が発表され、その中で齋藤正勝社長の言動などが問題視されました。
「個人商店」であるという感覚からの意識改革が必要な人物のトップとして名前を挙げられました。
現在は、日本経済団体連合会幹事の「金融制度委員会」や「情報通信委員会」のメンバーとして公的な活動も行っています。
そのような経歴を持つ齋藤正勝社長は、著書も残しています。
主な著書には
- 本気論―フリーターから東証一部上場企業の社長になった男の成功法
- “すごい逸材”になれ!!
- カブドットコム流 勝ち残り法則80ヵ条
といったものがあります。
おすすめ本の紹介と口コミ
ここまでは、カブドットコム証券や齋藤正勝社長についてご紹介しました。
続いては、齋藤正勝社長がおすすめしている『伊藤忠 丹羽革命…社長の覚悟が会社を変える』という本についてご紹介します。
この本は、齋藤正勝社長のバイブルにもなる本なので、どのような学びを得たかなどを知るヒントになるでしょう。
本の内容について
まずは、『伊藤忠 丹羽革命…社長の覚悟が会社を変える』の内容から見ていきましょう。
この本は、バブル崩壊で危機的な状態に陥ってしまった伊藤忠商事の対応について書かれています。
不良債権は、当時約4,000億円にも上っていたのですが、丹羽宇一郎社長は会社の存続をかけて一括処理を決めました。この大胆な行動は、多くの人を驚かせました。
丹羽宇一郎社長の報酬返上や土日に行われた社員集会、社員の精神改革についても紹介しています。
この本を読むことで、丹羽宇一郎社長がどのような人物なのか知ることができるでしょう。
齋藤正勝社長がこの本から学んだこと
齋藤正勝社長はこの本から、社長自身の行動力やリーダーシップが重要だと感じ取ったのではないかと考えられます。
社長という役職にいる以上、伊藤忠商事のように窮地に陥ってしまう可能性もゼロではなく、対応を迫られてしまいます。
そんな時に、丹羽宇一郎社長のような行動力やリーダーシップがあれば、齋藤正勝社長自身も会社を守り抜けると信じたのではないでしょうか。
なかなか丹羽宇一郎社長のような行動ができる社長もいませんが、会社や社員を守るためには重要なことだと言えます。
また、この本からは丹羽宇一郎社長の人物像も垣間見ることができるため、それに少しでも近づきたいという思いも心のどこかにあったと考えられます。
本レビューの紹介と感想
この本のレビューには「丹羽宇一郎社長の人物像についてよく分かり、興味深い」というものがありました。
たしかに内容自体が特別に派手な本ではありませんが、社長として持つべき考え方について触れることができそうです。
齋藤正勝社長のように、1つの会社の社長として貢献していきたいと考えている人にとって、非常にためになる本だと言えるでしょう。
また、営業の現場などへも取材をしているため、社長の視点だけではなく現場の視点も盛り込まれています。
そのためこの本は、伊藤忠商事についても知れる内容になっているのです。
齋藤正勝社長も勤務していた伊藤忠商事に関する本でもあるため、齋藤正勝社長は身近に感じられたのではないでしょうか。
会社の今後の展望について
最後に、カブドットコム証券の今後の展望について考察していきましょう。
ネット証券会社は、人材不足に悩まされています。
どの業界も、人材不足だと嘆かれていますが、ネット証券会社もその傾向が強くなっているのです。
人材不足を解消するためにカブドットコム証券では、AIの導入をスタートしました。
高度な業務もAIであれば、短期間で適用できるため、導入するメリットは大きいと言えるでしょう。
また、携帯電話会社と提携することで、新たな事業を展開したいという考えもあります。
しかし、携帯電話会社との提携はまだ具体的には決まっていないようなので、これから期待される分野になっていくでしょう。
従来の事業だけではなく、新たな事業を盛り込んでいくことによって、ネット証券会社の可能性も広がっていきます。
そしてそれは、ネット証券業界に良い影響を与える変化になると考えられます。
個人投資家がインターネットを介して取引する時代だからこそ、そのニーズに応えられるようなサービスの提供が望まれています。
そのサービスの先駆者となるのが齋藤正勝社長率いるカブドットコム証券である可能性も非常に大きいでしょう。
これからは、新たな動きに注目をして見ていくと良いでしょう。
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